介護職のための看取りケア
看取りの心構え【1】本人や家族の意向を聞いておく
一般的に看取りが近いことを感じてから、家族に本人の意向を聞くケースが多いようです。しかし、そのタイミングでは、本人への聞き取りが難しくなっており、家族も突然聞かれても戸惑うでしょう。本人・家族はどんな終末期を過ごしたいのか、過ごさせたいのか、終末期になる前にさりげなく聞き取っておく必要があります。「延命措置の希望の有無」といった具体的なことまで聞く必要はありません。考え方やスタンスを聞き取っておくことで、さまざまな選択がしやすくなり、本人の思いに寄り添う看取りケアができます。
本人の意向を知る会話の例
家族→本人
本人が元気な時に、家族が終末期の希望を聞いても、実感がなく、「まだわからないよ」などと曖昧な答えになる場合もあるでしょう。芸能人や著名人が亡くなった時など、イメージがわきやすい機会をとらえ、さりげなく話題にしてみると、意外な本音が聞けるかもしれないことを家族に伝えるとよいでしょう。
本誌では看取りにあたり持っておきたい心構えやケアのヒントを解説しています。
監修
東京都健康長寿医療センター研究所 福祉と生活ケア研究チーム・終末期ケアのあり方
テーマリーダー 島田千穗
介護が必要になり、徐々に衰えていく過程にある高齢者とその家族、ケア提供者に焦点を当てた研究を行う。著書に『認知症・超高齢者の看取りケア実践』(共著、日総研出版)など。
文/松崎千佐登 イラスト/かまたいくよ
東京都健康長寿医療センター研究所 福祉と生活ケア研究チーム・終末期ケアのあり方
テーマリーダー 島田千穗
介護が必要になり、徐々に衰えていく過程にある高齢者とその家族、ケア提供者に焦点を当てた研究を行う。著書に『認知症・超高齢者の看取りケア実践』(共著、日総研出版)など。
文/松崎千佐登 イラスト/かまたいくよ