自立支援のためのレク
上肢を動かすレクリエーションとは
これからの介護に求められる「自立支援」をテーマにしたレクを、6回にわたってお送りしています。第5回は、上肢機能の向上に焦点を当てたレクをご紹介します。
上肢を鍛えて「○○したい」という意欲を引き出して
食事や排泄、入浴、整容、衣服の着脱など、上肢の動きは様々な場面にかかわってきます。上肢機能を鍛えることは日常生活動作を向上させ、さらには、「絵を描きたい」「裁縫をしたい」「料理をしたい」など、利用者の望む生活を送るためにも大切です。好きなことややりたいことが、自分の思うようにできると、生きるための活力となり、それが自立につながっていきます。
肩、腕、手からなる上肢機能で特に鍛えたいのが肩の周辺筋や体幹の筋肉です。これらの筋肉は体の中心に近い箇所にあり、ここが土台として安定してくることで、手を無理なくスムーズに動かすことができます。これらの筋肉は、腕を高く上げたり、大きく動かしたりすることで鍛えられます。可動域を超えて伸ばすと危険な場合もあるので、リハビリ職と相談しながら無理のない範囲で行いましょう。
今回は、「上下に振る」「下から転がす」「投げる」「巻く」といった、上肢機能を鍛えるのに効果的な動きを取り入れています。ゲームの中で、筋肉を動かしたり可動域を広げたりするだけでなく、握力や手指の巧緻性を向上させることもねらいとしています。
それらの動きが日常生活動作にどうつながっていくのか、また、どのような動きを意識したらよいかなどを詳しくご紹介しています。ゲームを楽しみながら上肢機能を向上させましょう。
医療法人中村会 介護老人保健施設あさひな 認知症介護レクリエーション実践研究会。介護現場での実践者として日本各地でレク研修を行っている。
監修/介護老人保健施設あさひな リハビリテーション科
イラスト/岡村奈穂美 (資)イラストメーカーズ