介護職のための看取りケア
目指したい「看取りケア」のかたち
今までどおり、「本人が快適に過ごせる」ケア
今までどおりのケアを提供する─これこそが看取りケアにおいて、最も念頭に置きたいこと。終末期だからといって、特別なケアが必要になるわけではありません。終末期を過ごすための快適な環境を整えながら、今まで行ってきたケアを体の状況・変化に対応しながら、続けていくことが大切です。死は生活の延長線上にあると考え、日常生活のなかで利用者が最期を迎えられるようにします。そもそも、それを求める人が介護施設での看取りを希望しているということが前提にあります。
「本人の意向」を尊重したケア
終末期では、医療に預けるかどうかの判断を迫られることもあるでしょう。その場合、「本人はどう生きたいか」と利用者の意向に立ち戻って考えるとよいでしょう。例えば、「点滴で生き続ける状態を本人は望むか」「針が刺さっている状態が本人にとって快適か」といった視点です。利用者の意思を大切にしながら、介護職も家族と一緒に考えることが必要です。そのことをできるだけ早い時期から意識し、ケアの態勢を整えておきましょう。
本誌では看取りにあたり知っておきたい心構えやケアのヒントを解説しています。
監修
東京都健康長寿医療センター研究所 福祉と生活ケア研究チーム・終末期ケアのあり方
テーマリーダー 島田千穗
介護が必要になり、徐々に衰えていく過程にある高齢者とその家族、ケア提供者に焦点を当てた研究を行う。著書に『認知症・超高齢者の看取りケア実践』(共著、日総研出版)など。
文/松崎千佐登 イラスト/かまたいくよ
東京都健康長寿医療センター研究所 福祉と生活ケア研究チーム・終末期ケアのあり方
テーマリーダー 島田千穗
介護が必要になり、徐々に衰えていく過程にある高齢者とその家族、ケア提供者に焦点を当てた研究を行う。著書に『認知症・超高齢者の看取りケア実践』(共著、日総研出版)など。
文/松崎千佐登 イラスト/かまたいくよ