虐待につながる「不適切ケア」
【不適切事例3】数日ぶりの便通をほかの職員にも伝えました
便秘がちなCさん。数日ぶりに便通があったので、ほかの職員にも伝えました。
このケアの何が問題なのでしょう?
【ここに注意!】排泄は羞恥心を伴う行為です。周囲に聞こえる声でほかの職員に伝えることは自尊心を傷つけます。
排泄や入浴などは利用者のプライベートな行為であり、羞恥心を伴うものです。これらにかかわる際は、介護者にはより慎重な態度でケアに当たることが求められます。
職員はCさんの体調が改善したことを嬉しく思い、早く情報共有がしたいとほかの職員に大声で伝えてしまいましたが、もう少し配慮が必要でした。利用者の羞恥心、あるいは尊厳にかかわるケアを行う場合は、相手の気持ちを第一に考えることが必要になります。
監修/ケアホーム西大井こうほうえん施設長 田中とも江
上川病院総師長在職中から「縛らない看護」に取り組む。以来、拘束廃止、虐待予防に携わり続け、「抑制廃止福岡宣言」(1998年)、「九州宣言」(1999年)のきっかけをつくる。2009 年より現職。拘束廃止研究所所長。NPO法人シルバー総合研究所理事。
文/高野千春 イラスト/尾代ゆうこ
上川病院総師長在職中から「縛らない看護」に取り組む。以来、拘束廃止、虐待予防に携わり続け、「抑制廃止福岡宣言」(1998年)、「九州宣言」(1999年)のきっかけをつくる。2009 年より現職。拘束廃止研究所所長。NPO法人シルバー総合研究所理事。
文/高野千春 イラスト/尾代ゆうこ