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「ヒヤリ・ハット報告書」はなぜ必要か~その[3]

「ヒヤリ・ハット報告書」はなぜ必要か~その[3]

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「ヒヤリ・ハット報告書」はなぜ必要か~その[1]
「ヒヤリ・ハット報告書」はなぜ必要か~その[2]

■ヒヤリ・ハットの正しい取り扱い
スタッフが提出したヒヤリ・ハット報告書は、収集・分析されてはじめてその力を発揮します。

報告書には、さまざまなヒヤリ・ハットが記されていますが、一定期間のものをまとめて読み、その中から組織の問題として「皆が同じことをやりそう」で「対策が立てられる」事例を洗い出します。分析によって、「いつ」「どこで」「どういう職種」が「どのような」ヒヤリ・ハットに陥りやすいのか、リスクがおのずと浮かび上がってくるはずです。

さらに「なぜそのような状況になったのか」、原因を分析。そして、リスクを回避するためにはどのようなシステム改善が必要かを具体的に検討します。

たとえば、ヒヤリ・ハットから判明した利用者の薬の飲み間違い未遂の多発は、「ダブルチェックする」というルールだけでは不十分でした。「処方箋と薬袋を並べ、2名のスタッフで確認する」というように具体的な改善策を文章化し、指導します。

さらに、この対策によって薬の飲み間違いのヒヤリ・ハットがなくなったか否かの追跡調査も必要です。

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■ヒヤリ・ハットをマニュアルに生かす
実は、独自のマニュアルを持っている介護施設は少数派です。これは、人と人とがかかわる介護の現場ではマニュアルという考え方が受け入れられにくいからでもあります。マニュアルは机上の空論という考え方もあります。

しかし、ヒヤリ・ハットを活用すれば、〝使える?マニュアルを作成することができます。マニュアルは「利用者の命を守る最低限のルール」です。生きたマニュアル、教育システムを構築するために、ヒヤリ・ハットを大いに活用したいものです。

たくさん集めたヒヤリ・ハットをどう分析し、対策に結びつけていくかについて、次号本誌で取り上げます。

※泉 泰子
損保ジャパン日本興亜リスクマネジメント株式会社医療リスクマネジメント事業部上席コンサルタント。看護業務に従事した後、現職。全国の医療機関や介護福祉施設向けのリスクマネジメント体制構築支援業務を行っている。
文/蜂須賀裕子 
イラスト/saki、村山宇希
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レクリエ 2014 3・4月号

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80~81ページに掲載ページに掲載

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