体も、心も元気になる
散歩レクのすすめ[1]
施設から外へ出て、利用者を散歩に連れていきたい。そう思ってはいても、なかなかできない施設も多いことでしょう。散歩をすると利用者にはどんな変化があり、また実際に行っている施設はどのようにしているのでしょうか。散歩を検討している施設の方々は、ぜひ実践に役立たせてください。
■足は「第二の心臓」。動かすと血流がよくなる
介護を必要とする高齢者にとって、散歩にはどのような効能があるのでしょうか。
まずは、歩くことそのものが体に及ぼす好影響があります。歩くことで足の筋肉を動かすと、ふくらはぎの筋肉が収縮し、そのポンプ作用で足先まで流れた血液が心臓に向かって押し出されます。それが繰り返されることで、全身の血流がよくなります。足が「第二の心臓」と言われるのはそのためです。高齢になると心臓の機能も低下してくるので、高齢になればなるほど、足を動かして血液の循環をよくすることが、非常に重要になってくるのです。
■認知機能を改善する研究結果も
また、体だけでなく、認知機能にも効果があります。東京都健康長寿医療センター研究所が行った研究で、高齢者(65~79歳の認知症でない高齢者)を対象に、週1回、全12回のウォーキング・プログラムを実施したところ、プログラム実施前にやや認知機能の低下が見られた高齢者群では、ウォーキング後に行った同じ認知機能検査で改善が見られました。また、明るく楽しい気持ちで過ごした、ぐっすりと休め気持ちよく目覚めた、など精神的な健康度が増したという結果も出ました。
この研究では、「ちょっときついな」と感じる程度の早歩きをしています。高齢者施設の利用者の場合、早歩きは難しいですが、施設の近所を散歩するだけでも、自然の移り変わりを目で見たり、音を聞いたり、においをかいだりすることが大きな刺激になります。
~高橋龍太郎 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター研究所(東京都老人総合研究所)副所長
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アクティビティこの記事が掲載されている号
レクリエ 2014 3・4月号
64ページに掲載ページに掲載
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