制作レクQ&A
制作レクの時間を有意義にするために
身体機能を維持し、コミュニケーションを豊かにする制作レク。利用者に楽しく取り組んでもらうために、介護者は何を準備し、どのように進めたらよいのでしょうか?
介護施設における制作レクリエーションには、季節の壁面飾りや行事制作、実用品作りなどがあります。これらの制作レクは、利用者に楽しい時間を過ごしてもらうという目的だけでなく、さまざまな身体機能の維持・向上、季節や今を意識する「リアリティ・オリエンテーション」の側面があります。
また、ほかの利用者とコミュニケーションを図るきっかけになることもあります。一例ですが、制作レクを通じて交流が始まった利用者同士が、誘い合ってレクに使う材料を買いに行けるまでに状態が改善したこともあります。
このように、制作レクは身体の機能の維持・向上だけでなく、その先にある利用者の生活への意欲、社会性をも回復させることができる優れたアクティビティです。
しかし、介護の現場では、少ないスタッフや限られた時間など制約が多く、要介護度の異なる利用者が同じ制作を楽しむのは難しいという声を聞くことがあります。そのような悩みに対し、『レクリエ2019 3・4月号』53ページからのQ&Aでヒントになる具体例を載せています。
どの答えにも共通しているのは、「どんな場合も利用者の自尊心を傷つけない対応」です。そのことを念頭に置き、制作レクを機能回復や自立支援につなげるための有意義な時間にしていきましょう。
本誌では編集部に寄せられる制作レクの悩みにQ&A形式でお答えしています。
理学療法士。社会福祉法人清峰会 特別養護老人ホーム浅草ほうらい勤務。理学療法士の立場から、機能回復・維持につながるレクリエーションを実施している。
イラスト/さいとうかこみ
取材協力
特定非営利活動法人 認知症ケア研究所 デイサービスセンターお多福茨城町/管理者 松岡佳美
SOMPOケア いきいき小日向 デイサービス/管理者 安田三枝
社会福祉法人 京都ライトハウス 高齢者総合福祉センター ライトハウス朱雀/副施設長 木原智徳