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介助・ケア

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面会時に気分を害した認知症利用者への対応【前編】

面会時に気分を害した認知症利用者への対応【前編】

Q 面会で訪れた家族に、利用者の最近の様子を話したら、気分を害してしまったようでした。どうしたらよかったのでしょうか?
住まいが遠方のため、なかなか面会に来られないBさんの家族。久しぶりにやってきたので、Bさんの居室に行き、最近の状況を家族に話したら、表情が強張ってしまいました。何が問題だったのか、わかりません。

A 利用者の話をする前に、まず、家族を気づかう言葉を。それがよい関係を築くきっかけになります。
頻繁に面会や送迎の立ち会いができない家族の場合、そのことに後ろめたさを感じています。そんな家族の気持ちを察して、まずは、家族を気づかう言葉をかけるようにしましょう。

【対応のポイント】
久しぶりに面会に来た家族は、なかなか来られなかったことに心苦しさを感じています。ですから、まずは面会に来られたことに感謝する気持ちを伝えましょう。顔を合わせた時には必ず立ち止まって挨拶をし、「よく来てくださいました。大変だったでしょう」などの言葉を添えると、家族も歓迎されていると感じることができます。これはデイサービスなどの送迎の際でも同じです。多忙ななか、時間を割いて立ち会っていることを気づかう声かけをするようにしましょう。

介護者は、常に利用者の立場に立って物事を考えているので、家族と顔を合わせた時も、利用者本人のためを思って「あれもこれも伝えなければ」となりがちです。しかし、介護者が利用者の話ばかりすると、家族は疎外感を抱き、面会に来ないことを責められていると思ってしまいます。大切なのは、家族の事情を考慮しながら、かかわること。家族と良好な関係を築くことは、利用者本人へのケアでもあるのです。

本誌では認知症ケアにおける「家族との関係」について事例別に対応ポイントをご紹介しています。

監修/伊東美緒
東京都健康長寿医療センター研究所研究員、看護師、保健師。介護施設や在宅での認知症ケアを研究。著書に『認知症の方の想いを探る~認知症症状を関係性から読み解く~』など。

文/高野千春 イラスト/田上千晶
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