レクリエ レクリエ レクリエ

介助・ケア

うまくいかないのはなぜ?

攻撃的なことを言う認知症利用者への対応【前編】

攻撃的なことを言う認知症利用者への対応【前編】

Q ほかの利用者に対して、たびたび攻撃的なことを言うBさん。どう対応したらいいでしょうか?
Cさんは車いすを用いている全介助が必要な利用者で、職員が食事介助をしています。Bさんは、そんなCさんにいつもひどい言葉を投げつけます。傷ついた様子のCさんをかばって、Bさんを注意すると、怒り出してしまいました。
20180906_02
A 介助が必要な利用者を攻撃する人は、「自分もかまってほしい」と思っていることがあります。介護者とのかかわりを見直してみましょう。
ほかの利用者に対する暴言・暴力は、同じ相手にくり返し行われることが多く、暴言・暴力を起こした人が当たり前のように注意されます。しかし、そうした対応は、かえって本人を傷つけ、気持ちを逆なですることになりかねません。その気持ちを理解することから始めることが大切です。

対応のポイント
利用者の暴言・暴力がほかの利用者に向かう場合、その対象となる人は認知機能やADL(日常生活動作)が低下していて、介護者がケアに多くの時間をかけているケースがよくあります。また、暴言・暴力が起こると、職員はそれを受けた側には気をつかい、起こした側には厳しい態度を取りがちです。

一方、暴言・暴力を起こす人は、比較的要介護度が低めであることが多く、介護者の手を必要としません。そのため、自分は「放っておかれている」という苛立ちを抱えており、心のなかでは介護者とのかかわりを求めています。その気持ちを理解して、「私たちの配慮が足りず、嫌な思いをさせてすみません」と声をかけ、背中をさするなどタッチングによるコミュニケーションを図ってみましょう。その間に、別の職員が暴言・暴力を受けた人をほかの場所に移動させ、フォローします。

監修/伊東美緒
東京都健康長寿医療センター研究所研究員、看護師、保健師。介護施設や在宅での認知症ケアを研究。著書に『認知症の方の想いを探る~認知症症状を関係性から読み解く~』など。

文/高野千春 イラスト/田上千晶
関連キーワード

この記事が掲載されている号

レクリエ 2018 9・10月号

レクリエ 2018 9・10月号

60,61ページに掲載

おもなレク
  • 9・10月の壁画 お月見と桔梗
  • 重ねて貼って広げる「秋の実りのオブジェ」
  • 自立支援のための「意欲」を引き出すレク
  • 虐待につながる「不適切ケア」
  • ごぼう先生の大吉体操「下肢」
  • たこ焼き器で料理レク!「カレー焼きポテト」

みんなが読んでいる記事

最新号

レクリエ 2024 5・6月号

レクリエ 2024 5・6月号

定価:2,140円(本体1,945円+税10%)

年間購読のご案内

  • レクの悩みを
    解決できる

  • 買い逃しが
    なくなる

  • 送料無料

詳しくはこちら
ページ
トップへ