“理由” を探るレッスン
「ごはんはまだ?」と繰り返す利用者の理由と対応ポイント
アセスメントをもとに、同じ質問を繰り返す理由と対応を探ろう!
ポイント[1]:その話をしているときはどんな表情か
利用者の反応:不思議そうな顔
考えられる理由:単純に食べたことを忘れている?
対応の例:
・次の食事の時間を伝え、「それまで○○をして過ごしましょう」とレクなどに誘い、気持ちが食事以外のものに向くようにする
ポイント[2]:その質問は、いつ、何をきっかけに始まり、どのくらい続くのか
利用者の反応:食後すぐに始まる
考えられる理由:満腹感がない?
対応の例:
・食事の量を調整したり、おやつなどで補ったりする
ポイント[3]:介護者の態度が、繰り返しを誘発していないか
利用者の反応:「もう召し上がりましたよ」と言ったあとも、不満そうな様子
考えられる理由:自分の話を聞いてもらえていないと思ってる?
対応の例:
・聞き流すような受け答えではなく、仕事の手を止め、目を見て伝え、きちんと話を聞いていることを示す
ポイント[4]:利用者の習慣はどうか?
利用者の反応:食後であることがわからず質問している
考えられる理由:「食後の習慣」がこれまでと違う?
対応の例:
・本人や家族からの話をもとに、その人なりの食後の習慣を取り入れることで理解してもらう(コーヒーやお茶を飲む、新聞を読むなど)
監修/裵鎬洙(ペ・ホス)
介護福祉士、介護支援相談員、主任介護支援専門員。認知症ケアの観点を増やし、コミュニケーションセンスを磨く研修を提供している。研修オフィス・アプロクリエイト代表、介護老人保健施設名谷すみれ苑主任相談員、コミュニケーショントレーニングネットワーク講師を務める。著書に『“理由を探る”認知症ケア―関わり方が180度変わる本』(メディカル・パブリケーションズ、2014年)がある。
イラスト/尾代ゆうこ
介護福祉士、介護支援相談員、主任介護支援専門員。認知症ケアの観点を増やし、コミュニケーションセンスを磨く研修を提供している。研修オフィス・アプロクリエイト代表、介護老人保健施設名谷すみれ苑主任相談員、コミュニケーショントレーニングネットワーク講師を務める。著書に『“理由を探る”認知症ケア―関わり方が180度変わる本』(メディカル・パブリケーションズ、2014年)がある。
イラスト/尾代ゆうこ