ヒヤリ・ハット報告書が「気づき」力をつける!
ヒヤリ・ハット報告書のよくある事例【1】入浴
入浴時、ほかの利用者に気をとられ、浴槽に入っている利用者への声かけが遅れたため、のぼせてしまった。
内容
【悪い例】A様がお風呂でのぼせてしまった。
【良い例】15時10分に、浴室からB様を脱衣室にお連れしたあと、浴槽に入っているA様を見たところ、顔が赤くほてり、ぐったりしているのを発見した。
アドバイス
誰が読んでも状況が伝わるよう、5W1Hを基本にして、見たままをできるだけ具体的に書きましょう。
対応とまわりの状況
【悪い例】すぐに横になってもらった。しばらくしたら自分から起き上がって部屋まで帰れたので、たぶん大丈夫だろう。元気になってほっとした。
【良い例】脱衣室で安楽な姿勢をとってもらい、看護職に連絡。血圧を測定した(血圧160/110)。10分ほど横になり、再度血圧を測定(150/90)。めまいや痛みなど見られず落ち着き、A様が居室まで歩けるというので付き添い誘導した。
アドバイス
曖昧な表現や主観的な表現は避け、できるだけ客観的な事実のみを、具体的な数値とともに書きましょう。
本誌では「原因と問題点」「今後の対策」を事例を交えて解説しています。
監修/浦尾和江
田園調布学園大学人間福祉学部社会福祉学科介護福祉専攻教授。東京都介護福祉士会理事、介護福祉士、社会福祉士、介護支援専門員。著書に『介護職のための根拠に基づいた記録の書き方(共著)』など。
イラスト/尾代ゆうこ
田園調布学園大学人間福祉学部社会福祉学科介護福祉専攻教授。東京都介護福祉士会理事、介護福祉士、社会福祉士、介護支援専門員。著書に『介護職のための根拠に基づいた記録の書き方(共著)』など。
イラスト/尾代ゆうこ