事例で学ぶ認知症ケア
配膳カートに怒り出す利用者への対応【1】
事例
いつも朝から積極的にスタッフを手伝ってくれるAさん。しかし、昼食時にスタッフが配膳カートを押してくると、落ち着かなくなり、「家に帰る!」と怒り出してしまいます。
Aさんの生活歴
●60歳代後半。妻と2人で年金暮らし。
●介護度は要介護2で、主な要因は認知症。
●50年にわたり大工として働き、これまで支えてくれた奥さんを大事に思っている。
●幼少期の生活ぶりは質素で、職人時代もつつましい生活を送ってきた。
●昼食は奥さんの手作り弁当だった。
●趣味は仕事というぐらい大工の仕事が好きで、大工時代の話をする時は笑顔を見せる。
考えてみましょう
生活歴からAさんが昼食時に落ち着かなくなる理由を考え、書き出してみましょう。
本誌では具体的な事例を挙げ、生活歴をヒントに対応やうまくいったポイントを紹介しています。
監修/服部安子
社会福祉法人浴風会本部浴風会ケアスクール校長、社会福祉士、精神保健福祉士、介護支援専門員。障害者福祉の地域実践を経て、老人福祉施設の立ち上げ・運営に30年余携わる。著書に『認知症ケアの真髄』がある。
文/高野千春 イラスト/ホンマヨウヘイ
社会福祉法人浴風会本部浴風会ケアスクール校長、社会福祉士、精神保健福祉士、介護支援専門員。障害者福祉の地域実践を経て、老人福祉施設の立ち上げ・運営に30年余携わる。著書に『認知症ケアの真髄』がある。
文/高野千春 イラスト/ホンマヨウヘイ