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フレイル重症化をタブレット端末で防ぐ新システム
バーチャルアシスタント「Tablet PaPeRo(タブレット パペロ)」がコミュニケーションを活性化
大手電機メーカーのNEC(日本電気株式会社)が、一人暮らしの高齢者などを対象に、フレイルの重症化防止に向けたコミュニケーションシステムの研究開発を進めています。「フレイル」とは、加齢とともに筋力や認知機能が低下し、生活機能障害などの重症化が懸念される状態のこと。重症化防止のために、日々のコミュニケーションや早期発見が求められています。
本システムでは、自宅にタブレット端末を設置し、画面上のバーチャルアシスタントとのやりとりを通じてコミュニケーションの活性化を図ります。アシスタントの名前は、「Tablet PaPeRo(タブレット パペロ)」。AI(人工知能)を搭載し、季節や時間帯に応じて利用者に声をかけたり、服薬・通院などのスケジュールや、離れて暮らす家族からのメッセージを伝えてくれたりします。
2019年4月からは、取得した表情や音声データにもとづいてフレイルの進行状態を分析し、医師や臨床心理士と共同で重症化防止に効果的な声かけ条件の検証を行います。将来的には、利用者の服薬状況や血圧・体重などのバイタルデータを、家族や医療・介護従事者と共有する機能もプラスされる予定です。
文/田中 元