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現場で役立つ「とろみボタン付き自動調理機」が誕生
手間のかかる「とろみ調整」もボタン1つで!
嚥下(えんげ)が困難な利用者へ水分補給をする時、多くの介護現場では、とろみ剤を飲み物に加えています。しかし、利用者の嚥下状態に合わせて常に一定の「とろみ具合」を調整するのは大変で、好きなときに好きな飲み物を飲むという利用者の自由が制限されてしまうことも考えられます。
こうした悩みに応えるべく誕生したのが、「とろみボタン付き自動調理機」です。見た目はいわゆるカップ式飲料の自動販売機ですが、とろみ剤を加えて攪拌する作業を自動で行う機能を搭載。「薄い・中間・濃い」の3段階で、とろみ具合を調整することが可能です。
この自販機は、嚥下障害対応食品の開発・販売を手がけるニュートリ―株式会社(三重県四日市市)と、自販機オペレーター業界で歴史の深い株式会社アペックスの共同開発によるものです。使用されるとろみ剤は、医療機関でも定番の「ソフティアS」。片栗粉に比べて唾液で分解されにくく、とろみを口腔内でしっかり維持します。2018年10月に日本歯科大学口腔リハビリテーション多摩クリニックに設置され、今後は有料老人ホームなどの高齢者施設を対象に、2021年までに2万台の設置を目指しています。
文/田中 元