うまくいかないのはなぜ?
食後さらに食べたがる人への声かけ[認知症ケア]
Q 食事を済ませたのにさらに食べたがる人はどうしたらいい?
Bさんは、食事を全部食べ終えたばかりなのに「もっと食べたい」と訴えます。食べ過ぎはよくないと思い、「もうBさんの分はおしまいですよ」と伝えても聞いてくれず、怒りだしてしまいます。どうしたらいいでしょう。
A 食べたいという欲求をそらすことはできません。食べたい気持ちに応える工夫をしましょう。
食べたがる人の多くは、実際に空腹のことも多いのです。万歩計などで活動量を測る、3か月前、半年前から体重が減っていないかを調べるなどして、食事量が足りているかを判断し、どんなものをどのように提供するか考えましょう。
【対応のポイント】
既定の食事量で足りないと訴えたり、時間外に食べたがったりする時、その理由を探ると、日中ぐるぐる歩き回っている、始終大声で歌っている、机をたたいているなど、ほかの人よりも活動量が多いことがあります。この場合、想定以上にカロリーを消費しています。こういう人は早くおなかがすいてしまうので、何か食べたくなるのは当然です。認知症だからといって、訴えを記憶障害によるものと決めつけないようにしましょう。
実際に空腹だと判断できる時は、食事量を増やしたり、補食を追加したりします。補食は小さなおにぎりなど、ある程度しっかりしたものを飲み物と一緒に提供すると満腹感を得やすくなります。カロリー過剰が気になる人の場合には、ゼリーなど低カロリーで食べ応えのあるものを。
また、捕食のあとは体を動かすように促してもいいでしょう。「食べさせてもらえた」というよい感情記憶を残せるように対応しましょう。