接遇を見直しませんか?
くだけた言葉でTPOをわきまえた例
介護の現場では、くだけた言葉が必ずしもNGではありません。距離感を縮めることで、一緒に喜んだり、共感したり、安心させたりするメリットもあります。メリット、デメリットの両方を考えて、上手に利用者との距離をコントロールしましょう。
【使うことでメリットがある】レクリエーションの時(上図)
「大変結構な作品ですね」と言うと、とても距離を感じます。利用者は評価を得ただけで、喜べません。「すごい」「素敵」など感嘆詞を使うことで、利用者は心から一緒に喜んでくれたと満足感を得ます。こうした時はくだけた言葉が効果的といえます。
【使うことでデメリットがある】他の利用者がいる時
特定の利用者を「〇〇ちゃん(くん)」と呼んだり、なれなれしい態度で接していたりする介護職に、違和感を抱く利用者がいるかもしれません。また、「あの人だけ特別扱いされている」という気持ちにも。不満、誤解、摩擦を生む原因になりかねません。
監修/蜂谷英津子(はちや えつこ)
HOTシステム株式会社 代表取締役。介護人材育成コンサルタント。大手デパートや外資系ホテルのVIPゲストの担当を経て、介護事業所で接遇マナーやコミュニケーション研修等の講師を務める。2010年にHOTシステムを設立し、現職に。著書に『介護職のための接遇マナー』(介護労働安定センター)等がある。
イラスト/尾代ゆうこ