自立を促す介助
利用者の力を活かした いすを使った「立ち上がり」[1]
「立ち上がり」の動きと、それを踏まえた介助のポイントがわかったところで、いすに座った状態から、前に置かれたいすを使って、立ち上がる方法を実践してみましょう。利用者がこの方法を覚えて、一人で立ち上がれるようになることを目指します。
[1]いすに座る
いすを2つ向かい合わせに置く。そのうちの1つに座って両足を肩幅に広げ、足の裏をしっかり床につける。介助者は、利用者の動きを妨げないよう横に立つ。
[2]上半身を前に倒す
両足を後ろに引き、体を倒して両手を前方のいすの座面に置く。
介助のポイント
頭を膝よりも前に出して立ち上がりの準備の姿勢に移る時、目の前にいすがあれば、仮にうまくいかなくても手をついて自分の体を支えることができます。心理的にも安心感があり、立ち上がろうとする気持ちをサポートできます。
[2]に続く。
医療法人湖青会 理学療法士/出野智子
金沢大学医療技術短期大学部理学療法学科(現・金沢大学医学部保健学科理学療法科)卒業。滋賀県立小児整形外科センター(現・滋賀県立小児保健医療センター)などを経て、2000年より医療法人湖青会で幼児から高齢者までを対象とした訪問リハビリテーションを中心に従事。著書に『リハビリテーションの考え方をとりいれた介助のしかた』(日本医療企画)がある。
イラスト/藤原ヒロコ
金沢大学医療技術短期大学部理学療法学科(現・金沢大学医学部保健学科理学療法科)卒業。滋賀県立小児整形外科センター(現・滋賀県立小児保健医療センター)などを経て、2000年より医療法人湖青会で幼児から高齢者までを対象とした訪問リハビリテーションを中心に従事。著書に『リハビリテーションの考え方をとりいれた介助のしかた』(日本医療企画)がある。
イラスト/藤原ヒロコ