“振り返り”でわかる
認知症の人への対応~家族へのケア【1】
家族のケアを認め言葉を聞くことが大切
認知症の人は外見だけを見れば、健常の高齢者と何ら変わりがないことが少なくありません。それだけに、周囲からはその人をケアするのは「それほど、大変なことではない」などと思われることが多いのです。
家族にとって、自分たちの介護が認められる機会はあまりないのが現状です。特に、配偶者、娘や息子、お嫁さんなどの主介護者は、誰にも介護の大変さをわかってもらえないと孤独感を抱え、追い詰められているケースもあります。このような状況を踏まえ、認知症ケアは、利用者だけでなく、その家族にも向けられるべきだと考えられるようになっています。
日頃から「頑張っていますね」などと言葉かけをし、精神的負担を軽減するよう心がけます。自分たちスタッフが、常に家族の理解者であることを示すようにしましょう。
監修/六角僚子
独協医科大学看護学部在宅看護学領域教授。看護師、保健師、介護支援専門員でもある。NPO法人認知症ケア研究所代表理事を務め、茨城県水戸市を中心に「デイサービスセンターお多福」などを運営する。
文/高野千春 イラスト/中小路ムツヨ