利用者の気持ちを考えた認知症ケア[10]~活動と休息編
午後になると徘徊する
午後に徘徊がみられる場合は「夕暮れ症候群」と考えられます。活動や食事などの前に落ち着きがなくなりソワソワした様子がみられ、やがて家に帰りたがる行動が多くなります。不安や心配がおもな原因で、誰かが家で待っていると思っていることもあります。こうした行動は現れるタイミングがほぼ決まっているので、その前に不安を取り除くような声かけを行うことがポイントです。
■対処法
別の行動に置き換えるようにする
徘徊という行動を別の活動に置き換えるよう働きかけます。たとえば、近所への買い物を手伝ってもらう、趣味など普段から興味を持っている作業に誘うなど、利用者自身が何らかの満足感を得られるような活動を一緒に行い、気分を変えます。
ほかの人のそばで休息をとる
1人取り残されることへの不安を感じていることが多いため、「ほかの人と一緒」が安心につながります。ほかの利用者とともに休息をとれる環境をつくると効果的です。どうしても外に出たがる時は、スタッフが付き添って一度外に出ると落ち着くこともあります。
※六角僚子
東京工科大学医療保健学部看護学科教授。看護師、保健師、介護支援専門員でもある。NPO法人認知症ケア研究所代表理事を務め、茨城県水戸市を中心に「デイサービスセンターお多福」などを運営する。
■関連記事
利用者の気持ちを考えた認知症ケア~記事一覧