ロコモを知る
「ロコモティブシンドローム」とは?~その[2]
ロコモの要因は5つ。
互いに絡み合って進行する
移動能力は、人が生活の中で移動する際に必要な能力のことで、歩行、立ち座り、階段昇降に代表されます。
「ロコモのおもな要因は、バランスの低下、筋力の低下、変形性膝関節症、腰部脊柱間狭窄症、骨粗鬆症の5つです。そして、これらによって現れる症状のほとんどが、移動能力に関わっています」
例えば、バランスが低下すると「歩行が遅くなる」「階段で手すりが必要になる」「転びやすくなる」などの症状が、筋力が低下すると「生活の中の動作がしにくくなる」「立ち座りや階段がつらくなる」などの症状が現れます。
「移動能力の低下は、そのまま自立度の低下につながります。放っておいたら必ず要支援・要介護の状態になってしまいます。それを防ぐためには、早い段階から、ロコモを予防、あるいは解消することが重要になります。
ロコモは、それぞれの要因が関連し合い、複合的に進行します。それは、裏を返せば、1つの要因を改善することで、ほかの要因もよい方向に向けることができるということ。疾患に対しては適切な治療を、そして機能低下には運動を行うことが効果的な対処法といえるでしょう。特に下肢を鍛えることが効果的です」
要介護認定を受けていても
ロコモの改善はできる
ロコモに対しては、まずは予防が第一となります。しかし、すでにロコモの症状がみられる人でも、機能改善を図っていけば、移動能力を高めることは可能なのです。
「立位が不安定でも、膝に痛みがあっても、要介護認定を受けていても、その人の身体機能の程度に合わせて、強度や回数を調節しながら運動すれば、機能を改善することはできます。あきらめないで、少しずつでも続けることが肝心。ぜひ、始めてほしいと思います」
~石橋英明先生 伊奈病院整形外科部長、NPO法人高齢者運動器疾患研究所 代表理事(監修)
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この記事が掲載されている号
レクリエ 2014 3・4月号
52~59ページに掲載ページに掲載
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