「もの忘れカフェ」の現場から
認知症ケアのヒント~アクティビティ編[2]
衰えた能力を補うため「記憶の補助具」を活用
記憶障害の参加者へおすすめなのが、「記憶の補助具」。もの忘れカフェで活用されている、活動の手がかりを与える工夫です。
「もの忘れカフェでは、参加者が簡単な活動の記録をつけています。でも、文字を思い浮かべることができなくなった方もいます。そんな方のために用意しているのが、本人の気持ちを代弁した付箋。簡単な言葉を書いてボードなどに貼りつけています。参加者はその時の気持ちに合った付箋を記録用紙に貼りつけるのです」
また、テーブルにはその日の活動予定を書いた予定表を置いています。「予定を忘れてしまっても、確認できるものが近くにあれば、手にとって確認ができ安心できるものなのです」
他にも、作品やアクティビティの様子を写真に撮影するなど、もの忘れカフェでは参加者が活動を思い出す手がかりをいくつも準備しています。
「アクティビティにおけるケアでは、完成品にこだわらないことも大切です。スタッフの手の入った作品は見栄えは良くても、それは本人の作品ではありません。完成までのプロセスには、失敗に思えることがあっても何かしらの意味があるものなのです」
☆上記イラストは「記憶の補助具」。スタッフが簡単な記録を付箋に書き、参加者はそれを記録用紙に貼りつける。一日のスケジュールを書いた卓上の予定表。完成した作品は撮影して記録。
この記事が掲載されている号
レクリエ 2013 冬号
56~61ページに掲載ページに掲載
おもなレク
- みんなで作る 季節の壁画
- 「伝統」を新鮮な技法で 冬の行事制作
- 下肢運動を取り入れたゲームレク
- “男性を惹きつけるデイ”の工夫
- 認知症ケアのヒント
- 病気と対処法 冬の皮膚トラブル