介護者が知っておきたい
病気と対処法~糖尿病の低血糖ケア
低血糖の症状が出たらあわてないで糖分補給を
糖尿病の人は、十分に食事が摂れなかったり、インスリン注射や血糖降下剤が効きすぎたりすると、血液中のブドウ糖が少なくなりすぎて、低血糖の症状を起こすことがあります。
低血糖が起こりやすい状態は「食事の量が不十分」「食事時間が遅れた」「運動をいつもより多くしすぎた」などがあげられます。
低血糖の症状は、発汗、動悸、手のふるえ、めまい、ふらふら感、目がぼーっとするなどがあります。さらに悪化すると、痙攣(けいれん)が起きたり、意識を失ったりすることもあります。自分で計る血糖測定器を使用してチェックすることもできますが、介護者は利用者の様子を観察することが大切。特にめまい、ふらふら感、ぎこちない動作などの症状に要注意です。
糖尿病の人のためにふだんからブドウ糖や砂糖を用意しておきましょう。そして低血糖の症状が出たら、10~20グラム程度の糖分を補給します。同量の糖分を含んだジュースや清涼飲料水でもOK。飴やチョコレートでもかまいませんが、溶けるまでにやや時間がかかります。
糖分を補給したら、しばらく安静に。おおむね10~15分程度で症状は治まりますから、すぐに食事を摂ります。おにぎりなど糖分を含んでいる食品を摂ると、再発を防げます。
意識がなくなってジュースなどを飲むことができない場合は救急車を呼ぶなどして医療機関で手当てをしてもらいます。しばしば低血糖の症状が起きる場合は、医師に報告。インスリン注射や内服薬の調節を行う必要があります。
一番大切なのは利用者が糖尿病であることを知っておくこと、そして、症状が起きてもあわてないことです。
~荒木 厚
地方独立行政法人・東京都健康長寿医療センター内科統括部長。日本糖尿病学会専門医・指導医。医学博士。京都大学医学部卒業後、英国ロンドン大学、米国ケースウェスタンリザーブ大学に留学。専門は老年医学、糖尿病、動脈硬化。
この記事が掲載されている号
レクリエ 2013 秋号
71ページに掲載ページに掲載
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