介護記録の書き方
ルールをおさえた介護記録の書き方のポイント
■簡潔に伝わるように書く
・文章は短く
長い文章は読みにくく、また、焦点がぼやけてしまいがちです。内容を絞って一文を短くすることを心がけましょう。原則として接続詞は使いません。
・1W1HでOK
記録の基本は、Who(だれが)・When(いつ)・Where(どこで)・What(何を)・Why(なぜ)・How(どのように)の「5W1H」とよくいわれます。しかし、常にそのすべてを盛り込んで書くのは難しいもの。事故が起きた時などは詳細な記録が必要ですが、それ以外の時は、「何を」「どのように」という1W1Hを中心に。そのほかの要素は、必要に応じて付け加えればよいでしょう。
(例)「この煮物はおいしいですね」と隣の方に話しながら食べていた。
■専門用語、略語を避ける
短文でまとめるためであっても、専門用語や略語はできるだけ使わないように。利用者の家族を含め、誰が見てもわかる書き方をしましょう。
(例)
× 食後、トイレ誘導。コート軟++。NC押さずに自力でリハパンを上げようとしているところに職員が声かけ。
○ 食後にトイレ誘導。軟便が中量。ナースコールを押さずにリハビリパンツを上げようとしているところに職員が声かけ。
柳本文貴
NPO法人グレースケア機構代表。介護福祉士、社会福祉士、介護支援専門員。老人保健施設等の勤務を経て現職。長時間ケア、娯楽ケアなどの自費サービス、訪問介護、研修事業等に取り組む。
鈴木順子
NPO法人グレースケア機構スタッフ。介護福祉士、介護支援専門員、保育士。訪問介護、有料老人ホーム、認知症グループホーム等での勤務を経て現職。利用者をきめ細かに見つめる目を持つ。
文/宮下公美子 イラスト/尾代ゆうこ