一人ひとりに寄り添うケア
アロマテラピーで心と身体を解きほぐす[3]
「よく眠れる」「足が軽い」利用者の声が職員のモチベーションに
車椅子やベッドで多くの時間を過ごす利用者の大半は、足などのむくみで悩んでいると言います。このような方々は施術を受けることで「足が軽くなった、よく眠れるようになった」と効果を実感するそうです。
睦合ホームではアロマテラピーに関する勉強会を定期的に開催し、日々研鑽を積んでいます。このような取り組みを継続できるのも、利用者の反応が見えるから。「皆さまからの感謝の声が、アロマテラピーを続ける自信になっています。
7月からは、「やすらぎ特養」で日々の生活の中での個別ケアの一つとしてアロマを取り入れており、積極的に参加する職員が増えています」(伊藤さん)
職員と佐藤先生が試行錯誤を重ね4年かけてマニュアルを作成
利用者に適した施術を行うため、一番初めのアロマトリートメントは必ずアロマテラピーの統括を任された、インストラクターの認定も有する伊藤さんが行います。
介護職員は伊藤さんの指示のもとに施術を行い、その度に記録を残します。施術前の身体の状態(傷の大きさ、皮膚の乾燥状態など)から会話内容など些細なことまで記載された記録表は介護職員同士で共有され、利用者の声を取り入れながら施術方法を常に改善していきます。
「最初は手探り状態でしたが、佐藤先生と介護職員が一緒に話し合いながら、約4年かけて現在のこの流れが出来上がりました」(伊藤さん)
このように、一連の流れをマニュアル化することで、多くの利用者に適切なアロマトリートメントを行うための体制が作り上げられたのです。
文/江川 司(KWC) 写真/中村年孝