災害が起こった時、まず何をするべきか?
日常のケアの延長線上で考える備蓄品【1】~自助という考え方
設備や費用をかけずケアの延長での備えを
災害への「備え」として欠かせないのが備蓄です。これを行う際に大切なのが「自助」という考え方。災害の被害者を減らすために、一人ひとりが自らを守ることです。災害規模が大きい場合は、何日も支援の手が届かないことがあり得ます。ですから、備蓄を考える際にも、施設の利用者とスタッフを守ることをベースにすることが基本となります。
ただし、備蓄や設備は費用をかければよいというものではありません。安全確認の項でも述べましたが、日常ケアと結びつけて災害時の状況を考える視点をもつことが大切です。日常で使用しているものが、そのまま災害時にも役立つというかたちが望ましいといえるでしょう。
備蓄に関しては、 『レクリエ2014 9・10月号』54ページでトイレの水を流す代わりにおむつを使用した例を紹介しましたが、代替品になりそうな物は多めに備蓄しておくという発想も大事です。また、消費期限の近づいた食糧を行事などに利用すれば、備蓄品の入れ換えと経費の節約になります。
監修/静岡県立大学短期大学部 社会福祉学科専任講師
鈴木俊文
介護老人保健施設、グループホームでの実務経験の後、日本福祉大学高浜専門学校講師などを経て現職に。専門は介護施設の災害過程教材・研修プログラムの開発、認知症ケアなど。著書に『災害時の介護―介護施設が巻き込まれる5つの変化』(みらい刊)など。
文/高野千春 イラスト/福井典子
鈴木俊文
介護老人保健施設、グループホームでの実務経験の後、日本福祉大学高浜専門学校講師などを経て現職に。専門は介護施設の災害過程教材・研修プログラムの開発、認知症ケアなど。著書に『災害時の介護―介護施設が巻き込まれる5つの変化』(みらい刊)など。
文/高野千春 イラスト/福井典子