災害が起こった時、まず何をするべきか?
日常のケアの延長線上で考える備蓄品【2】~保管場所の選び方
設備の点検・整備では、例えば、新たなベッドを導入する場合、より移動や移乗が容易なものを選ぶ、イベント用にバーベキューコンロを購入する時は炊き出しにも使えるようなタイプを選ぶなど、備品を揃える際に被災時を想定することで、災害用に特別なものを準備する必要がなくなります。
棚などの設備も、最小限の移動で避難スペースを確保できるよう、あらかじめ考えて配置しておけばいいのです。そうするだけで、万一の際の労力が少なくてすみ、配置を考えることがシミュレーションにもつながります。
保管場所は被害の恐れがない場所を
備蓄で気をつけておきたいのが保管場所。トイレ用水はトイレの側など、使用する場所に近いほうが便利です。しかしスペースがなければ、被害の恐れが少なく、運ぶためのルートが断たれないような場所を選びます。中越沖地震の被災施設では、屋外倉庫に保管していました。
また、保管場所を数か所に分散して備蓄する、取引業者と協定を結び必要時に物資を搬送してもらうなども有効です。
監修/静岡県立大学短期大学部 社会福祉学科専任講師
鈴木俊文
介護老人保健施設、グループホームでの実務経験の後、日本福祉大学高浜専門学校講師などを経て現職に。専門は介護施設の災害過程教材・研修プログラムの開発、認知症ケアなど。著書に『災害時の介護―介護施設が巻き込まれる5つの変化』(みらい刊)など。
文/高野千春 イラスト/福井典子
鈴木俊文
介護老人保健施設、グループホームでの実務経験の後、日本福祉大学高浜専門学校講師などを経て現職に。専門は介護施設の災害過程教材・研修プログラムの開発、認知症ケアなど。著書に『災害時の介護―介護施設が巻き込まれる5つの変化』(みらい刊)など。
文/高野千春 イラスト/福井典子