地域で見守る、地域で支える
商店街の人との交流を認知症ケアに生かすデイ【2】~街ぐるみで支援
本人とその家族を街ぐるみで温かく支援
「はじめは皆さん、様子見という感じでした」と稲田さん。転機となったのは、近所の引きこもりがちの高齢者が、同デイに通うようになって生き生きと過ごすようになったこと。「そのことがあって、はじめて商店街の人たちに認めてもらえるようになりました」(稲田さん)
デイで使う食器や衣類など、必要なもののほとんどは、地域の人たちが寄付してくれたものです。
「ある朝、入り口付近に『よかったら使ってください』のメッセージとともに衣類の入った紙袋が置かれていました。また、亡くなったご主人の介護用の衣類を『まだ使えるのでもったいなくて……』と寄付してくれた人もいます」(稲田さん)
こうして徐々に地域に溶け込み、商店街の人たちの多くが「認知症サポーター」になることで、認知症の人を地域で見守り、支える取り組みが広がっていきました。
「デイサービス ケアサロンさくら」
文/松崎千佐登 写真/加藤亜希子
文/松崎千佐登 写真/加藤亜希子