地域で見守る、地域で支える
商店街の人との交流を認知症ケアに生かすデイ【1】~認知症サポーター
商店街の人たちが「認知症サポーター」に
「いらっしゃい! 今日は何にしましょう」
ケアサロンさくらの向かいにある八百屋さんで、明るい声が響きます。同デイの利用者が買い物に来たのです。その前に立ち寄った魚屋さんともども、気づかいに満ちた対応で、利用者がゆっくり支払いをする間も、店主は笑顔で見守っています。
認知症の人への対応に慣れた様子ですが、それもそのはず。ここの商店街の人たちの多くは、認知症サポーター(※)に認定されているのです。
※認知症サポーター:認知症を正しく理解し、患者や家族を見守り、適切に対応する応援者。90分の養成講座を受けると認定される。
「実は私から『認知症サポーターの講座を受けてくれませんか』とお願いしたところ、商店街主催で養成講座を開き、皆さんが受講してくれたのです」とケアサロンさくらの管理者、稲田秀樹さんは話します。
同デイを、この場所に開設したのは、地域にある支え合いの会〝今泉台すけっと会〟の一人が稲田さんと旧知の間柄で、「商店街の空き店舗でデイサービスを運営してもらえないか」と招かれたからです。といっても、初めから商店街の人に受け入れられていたわけではありません。
「デイサービス ケアサロンさくら」
文/松崎千佐登 写真/加藤亜希子
文/松崎千佐登 写真/加藤亜希子