“振り返り”でわかる
認知症の人への対応~興味・関心を探るケア【1】「生活史を知る」
時代背景にとらわれず生活史をしっかりと知る
「興味・関心を探る」ということは、認知症の人にどんな能力が残されているのか、何が可能なのかを理解するための材料を得ること。
とはいえ、興味や関心は、利用者一人ひとりが違っており、同じ年代の人だからといって、ひとくくりにはできません。時代背景ばかりを見ていると、個人に目がいかず、失敗につながってしまいがちです。きちんと利用者ごとに材料を集め、現在のケアに生かすようにします。
利用者個人の興味・関心を知るには「生活史」が重要です。生まれた土地や暮らしてきた場所、仕事、家族構成、学生時代など、入所の際にアセスメント表や基本情報シートで可能な限り確認しましょう。そこに、時代背景や当時の習慣、共通の遊びなどを考え合わせて、その人が過ごしてきた生活や環境を理解するようにします。
生活史を知るには、入所時だけでなく、ケアやアクティビティの時間を上手に活用することも考えてみましょう。
監修/六角僚子
独協医科大学看護学部在宅看護学領域教授。看護師、保健師、介護支援専門員でもある。NPO法人認知症ケア研究所代表理事を務め、茨城県水戸市を中心に「デイサービスセンターお多福」などを運営する。
文/高野千春 イラスト/中小路ムツヨ
独協医科大学看護学部在宅看護学領域教授。看護師、保健師、介護支援専門員でもある。NPO法人認知症ケア研究所代表理事を務め、茨城県水戸市を中心に「デイサービスセンターお多福」などを運営する。
文/高野千春 イラスト/中小路ムツヨ