うまくいかないのはなぜ?
使用済みティッシュをしまう認知症利用者への対応【後編】
収集癖のある人は、集めている物にこだわりがあったり、人に見られたくなくて隠したりしていると考えられます。本人にとっては「大事な物」であることを理解し、衛生面を考慮しながら、手元に置いておける方法を考えてみてもいいでしょう。
こだわりの物を身近に置いておくための工夫例
湿っている物は乾燥させる
ミカンの皮を取っておこうとする人がいました。そのままだと腐ったり、カビが生えたりしてしまうため、皮の置き場を日当たりのよい場所に変更して天日干しをすることで、皮を乾燥させるようにしました。
誤飲のリスクを減らすために中身を交換
入浴のたびにシャンプーのボトルを自室に持ってくる人がいました。誤飲の恐れがあるため、ラミネートが破られていない新しい物、あるいは、口に入れても害のない水などを入れた物と差し替え、対応しました。
ペンで目印をつけて交換の目安に
かばんに使用済みティッシュをためている場合には、未使用のティッシュを丸めてペンで小さく印をつけたものを底の方から詰め、その上に溜まったもののみを回収するようにしました。
監修/伊東美緒
東京都健康長寿医療センター研究所研究員、看護師、保健師。介護施設や在宅での認知症ケアを研究。著書に『認知症の方の想いを探る~認知症症状を関係性から読み解く~』など。
文/高野千春 イラスト/田上千晶
東京都健康長寿医療センター研究所研究員、看護師、保健師。介護施設や在宅での認知症ケアを研究。著書に『認知症の方の想いを探る~認知症症状を関係性から読み解く~』など。
文/高野千春 イラスト/田上千晶