うまくいかないのはなぜ?
一人で徘徊する認知症利用者への対応【後編】
歩きたい気持ちに応える工夫
施設内は自由に歩けるエリアにする
一人歩きをしている人を見かけても、止めることはせずに「歩けることはいいことですね」などと声をかけ、歩くことに対して肯定的なメッセージを送ります。ただし、出入り口を右のようにカーテンやパーテーションで隠すなど、ドアが見えることによって起こる、外へ出たくなる衝動を少なくする工夫が必要です。
ときには散歩で屋外に出る
外に出たいという気持ちに応えるためには、屋外への散歩が効果的です。日光を浴びるのは健康にもいいこと。本人の歩行能力によって杖やシルバーカーなど補助具の使用を促しましょう。ボランティアの人に協力を仰ぐことも一案。
監修/伊東美緒
東京都健康長寿医療センター研究所研究員、看護師、保健師。介護施設や在宅での認知症ケアを研究。著書に『認知症の方の想いを探る~認知症症状を関係性から読み解く~』など。
文/高野千春 イラスト/田上千晶