介護の現場はどうなる?
機能訓練重視で意欲向上にはレクが必要に
隠されている意欲を引き出す
要支援・要介護の高齢者の自立支援や重度化防止を促そうとするとき、最も重要なのは本人の前向きな意欲です。しかし、多くの高齢者はさまざまな心身の疾患などを抱え、そのままでは意欲的になることは難しい状況に置かれています。
その時に、高齢者のなかで隠されている意欲を引き出すものとして重要となるのがレクリエーションでしょう。失ったもの(意欲や機能)を再び生み出す、まさにre-creationの役割がそこにあります。
改善可能な廃用症候群であっても、その利用者が疾患や加齢によって前向きになれない心理状態である時、心が和むようなレクがあればどんなに癒やされるでしょうか。そうして癒やされたところに、楽しい経験や仲間や職員とのコミュニケーションを取り戻すような活動が展開されれば、徐々に意欲も出てくるはずです。
レクで自信を持つことが機能向上に
どんなに「自立支援・重度化防止を」と周囲がが んばっても、高齢者本人がそこに向かいたいと思わなければ、科学的なリハビリテーション(機能訓練)などが効果を上げるのは難しいでしょう。
レクリエーションや日常的な介護を通じて高齢者が少しずつ自信を持ち、ほかの人に認められるような経験をし、そこに医療や機能訓練が絡むことで、自立支援や重度化防止が初めて効果をあげるはずです。
今回の制度改正は、確かに医療・機能回復のリハビリを重視するものですし、それは今後も一層強調されていくでしょう。逆に言えば、だからこそ高齢者の意欲・気持ちへのアプローチが重要になるのです。
今後の介護やレクリエーションの役割はそこにあります。制度改正のうねりのなかで、その大切さを絶対に見失わないでください。