介護の現場はどうなる?
介護保険改正で介護職員に求められること
日々のケアで利用者の状態を維持・改善
今回の制度改正・介護報酬改定では、全体として高齢者の自立支援・重度化防止、そして医療との連携が主眼となっています。そうなると、「医療職やリハビリ専門職が重用され、介護職員としては肩身が狭くなるのでは」と心配する読者も多いかもしれません。しかし、これまでどおりの方向性で日常業務にあたってほしいと思います。
その理由は、高齢者の重度化を招く要因は、医療やリハビリの問題もありますが、介護による影響も大きいからです。
例えば、要介護高齢者が心身機能を悪化させる実際のきっかけとして多いのは、転倒や肺炎(誤嚥)、低栄養からの感染症や褥瘡などです。この多くは、日頃の介護が適切であれば減らすことができます。歩行の介助方法や福祉用具の使い方が正しければ、転倒は最低限に抑えることができますし、食事介助の方法や食事形態の工夫で誤嚥を減らすこともできます。低栄養も同様です。この意味で介護職員の役割はとても重要なのです。
求められていること&身につけたいこと
医療的ケア
日常の医療的ケアのほか、利用者の異変をいち早く医療職へ相談するなど連携を心がける。
利用者の身体機能の向上
レクリエーションのほか、理学療法士などリハビリ専門職と連携して機能向上をはかる。
障害者ケア
障害者が高齢となって介護保険サービスを利用する場合もあり、障害者ケアの必要性も高くなる。特養の約7割が看取り介護を行っている現在、日々のケアのなかで、その人らしい最期を迎える支援が必要になる。
看取りケア
特養の約7割が看取り介護を行っている現在、日々のケアのなかで、その人らしい最期を迎える支援が必要になる。