こんな時どうする?身体介助Q&A
A:食事介助がうまくいきません【後編】
(前編はこちら)
A3. 円背で首の後ろが縮んだ状態では、うまく飲み込めません。いすに座り替え、手をテーブルの上に置くことで肩に圧がかかり、姿勢がよくなります。
いすに座り替える
いすに座り替えると、自然な前傾姿勢が取りやすくなるだけではなく、座り替える時の立ち上がりなどの動作が、筋肉のトレーニングになります。
テーブルと体を少し離す
テーブルと体を少し離すことで、自然と前傾姿勢になり体重がおしりに乗り、姿勢が安定します。
手をテーブルに乗せる
手(できればひじまで)をテーブルの上に乗せて上半身を支えることで圧がかかり、筋肉が鍛えられ、背骨が伸びてきます。円背の軽いうちから意識して行うことで、症状の進行を防ぐことができます。また、自分で食べられる人でも、両手をテーブルに乗せることで背中が伸び、呼吸や飲み込みが行いやすくなります。片麻痺の人も、麻痺側を乗せておくと姿勢が崩れるのを防ぐことができます。
監修/医療法人湖青会 理学療法士 出野智子
金沢大学医療技術短期大学部理学療法学科(現・金沢大学医薬保健学域保健学類理学療法学専攻)卒業。滋賀県立小児整形外科センター(現・滋賀県立小児保健医療センター)などを経て、2000年より医療法人湖青会で幼児から高齢者までを対象とした訪問リハビリテーションを中心に従事。著書に『リハビリテーションの考え方をとりいれた介助のしかた』(日本医療企画)がある。
イラスト/さいとうかこみ