自立支援のためのレク
「役割」を感じられるレクを行うポイント
利用者が役割を持ち、役割を果たせたことで自信をつけ、生活意欲につなげるために、どんなことに注意すればよいか見ていきましょう。
1. 役割を明確にする
役割が曖昧だと、レクを行う時に利用者が混乱してしまうことがあります。利用者の足元に役割の書かれたカードを置くなど、誰が何をするのかがわかるように環境を整えることが大切です。
2. 全員が役割を持てるよう工夫する
全員に何らかの役割を作り担ってもらうことで、レクに意欲的に取り組むことができます。能力を問わない、無理なくできる役割を作ることが大切です。役割は交代して行い、不公平や利用者の負担にならないように配慮しましょう。
3. 連帯感を引き出す
お互いに協力し合えるように、チームの連帯感や一体感を引き出す工夫をしましょう。例えば、「〇〇さんチームがんばって!」などと、応援の言葉をかけると、チームで行っていることを自覚しやすくなります。周囲に目が向き、チームの中の自分を意識するきっかけになります。
4. 役割を果たせたことをみんなに伝える
利用者ができたことに対して、「〇〇さんがたくさん投げたから勝てたんですね」や、「〇〇さんのおかげです」などといった言葉をかけて、その人に注目を集め、その人ができたことをみんなの前で本人に伝えましょう。自尊心を高めることで、生活意欲につなげることが大事です。
監修/尾渡順子
医療法人中村会 介護老人保健施設あさひな 認知症介護レクリエーション実践研究会。介護現場での実践者として日本各地でレク研修を行っている。
イラスト/福井典子