こんな時どうする?身体介助Q&A
Q:入浴介助がうまくいきません【前編】
Q1. 入浴介助がうまくいきません。利用者は手すりをつかんでも立ち上がれず、最後は力ずくで引き上げています。
こんな介助になっていませんか?
×上に引き上げる
立ち上がろうとする人を無理に上に引き上げる動きは、利用者が動く方向と介助者の力の方向が異なるため、より大きな力が必要になります。
×足が前に出たまま
立ち上がる時には、足の裏に体重を乗せることが必要ですが、足が前に出たままだと体重はおしりに乗っているので、立ち上がることができません。
×側方の手すりをつかんで引っ張る
手すりを引っ張って立ち上がろうとすると、体が後ろに倒れるような力が働きます。体は手すりを握った手で固定されているので、前に体重を移すことができず、おしりだけが前に滑っていき、浮力も加わって体が浮き上がってしまいます。
(後編に続きます)
監修/医療法人湖青会 理学療法士 出野智子
金沢大学医療技術短期大学部理学療法学科(現・金沢大学医薬保健学域保健学類理学療法学専攻)卒業。滋賀県立小児整形外科センター(現・滋賀県立小児保健医療センター)などを経て、2000年より医療法人湖青会で幼児から高齢者までを対象とした訪問リハビリテーションを中心に従事。著書に『リハビリテーションの考え方をとりいれた介助のしかた』(日本医療企画)がある。
イラスト/さいとうかこみ