うまくいかないのはなぜ?
すぐに帰りたがる認知症利用者への対応【後編】
初めての利用者が来たくなる4つのポイント
よい感情記憶を残す
「あなたを歓迎しています」という介護者の気持ちが伝わるような声かけをする、嫌がることはしない、その人の楽しみを見つけて提供するなどが、よい感情記憶につながります。
退屈させない
退屈が続くと「つまらない」という思いが残ります。テーブルの上に新聞や折り紙など興味を引きそうな物を常に置いておくと、利用者が退屈せずに過ごすきっかけになります。
自分でできることはやってもらう
自分のペースを乱されることはストレスになります。事前情報にとらわれず、利用者の様子を見て、できることはやってもらうようにします。やる気になるような声かけをしましょう。
集団から離れる機会をつくる
みんなで一緒にいることに疲れてしまう人もいます。「あちらでゆっくりしますか?」と集団から離れてもよいことを伝え、その場所まで誘導するようにします。
監修/伊東美緒
東京都健康長寿医療センター研究所研究員、看護師、保健師。介護施設や在宅での認知症ケアを研究。著書に『認知症の方の想いを探る~認知症症状を関係性から読み解く~』など。
文/高野千春 イラスト/田上千晶