「バリデーション」を生かそう!
「バリデーション」の基本テクニック【4】
共感する……カリブレーション
認知症の人にも自分にも嘘をつかず、正直に向き合い、相手の感情に寄り添います。具体的には、表情、姿勢、呼吸などを一致させます。
例えば、元教師だった認知症の人がかばんを持って外に出ようとしている場合、「先生、今日は何の授業ですか?」と言うのは、話を合わせているだけで共感とはいいません。
介護者自身、相手は認知症の人で授業をするのは無理とわかっているのに、こう呼びかけるのは嘘をついていることになります。表面的な薄っぺらい内容の言葉や嘘は、認知症の人にも届きません。「どこへ行かれるのですか?」と問いかけるなどして、話を聞く姿勢が大切です。
監修/都村尚子(つむら なおこ)
関西福祉科学大学社会福祉学部教授。「公認日本バリデーション協会」のバリデーション・ティーチャーとして講習を行うなど、介護現場でのバリデーションの普及に力を入れている。
著書に『バリデーションへの誘い』(全国コミュニティライフサポートセンター)がある。
イラスト/かまたいくよ