排泄改善レク
排泄のためのレクとは
重心移動やバランス動作を取り入れて
トイレでの排泄動作は、上記(画像)のシミュレーションのように複数の工程から成り立っています。排泄動作の改善というと、立ち上がり動作や立位保持、方向転換の動きなどが注目されがちですが、非常に不安定で硬い便座で、座位保持を行わなくてはならないということも忘れてはなりません。
本誌特集の排泄動作の改善に必要な4つのポイントでは、重心移動やバランス保持など、不安定な座位保持に慣れるための運動をご紹介しています。このほかにも、衣服の着脱を行ったり、トイレットペーパーでおしりを拭いたりするためには握力も必要です。グーパー運動などの、握力を維持する運動も取り入れるとよいでしょう。
排泄は、他人に見られたくない、自分で行いたい、と誰もが強く思うプライベートな行為です。利用者ができるだけ一人で排泄できるよう、自立に向けた介助を行うことが、利用者の尊厳を守り、生活の質を高めていくことにつながります。
本誌特集で紹介する、効果的な動きを取り入れた体操とレクを楽しみながら行うことで、一人で排泄するための機能を維持・改善しましょう。
監修/尾渡順子
社会福祉法人 興寿会 教育実践研修センター、認知症介護レクリエーション実践研究センター所長代理。介護現場での実践者として日本各地でレク研修を行っている。
監修/熊崎敦子
社会福祉法人 興寿会 老人デイサービス興寿苑介護福祉士。
監修/田中義行
株式会社大起エンゼルヘルプ理学療法士。一般社団法人日本介護技術協会理事。更なる技術や知識向上を目指し、介護技術の開発や介助が困難な事例の対応方法などを研究している。
イラスト/イシカワモトコ フジサワミカ (資)イラストメーカーズ