医療連携での介護職の役割
医療連携で介護職がやるべきこと【2】
医療職に“利用者のバイタルサイン”を正確に伝える!
利用者の異変に気づいた時点ですべきことは、熱や脈などのバイタルサインを測定すること。そうすれば、医療との連携もスムーズになり、医師も利用者に適切な診断をすることができます。基本的なことですが、意外とできていない場合も少なくありません。
医療職にとっては、利用者の様子を正しく伝えてもらうことが何よりの助けとなります。それができるのは、常に利用者と接している介護職であることを忘れずに。まずは、医療職に正しく利用者の情報を伝えるスキルを身につけるようにしましょう。
バイタルサインを正確に伝えるために必要なこと
体温を測る(上図)
日頃から、デイサービスなら到着時、施設なら起床時に体温を測定し、利用者の平熱を把握しておきます。異変がある時も必ず体温を測り、医療職に平熱と現在の体温を伝えましょう。
血圧を測る
体温同様、毎朝あるいは利用者の来所時に毎回測定し、その数値を記録しておきます。日頃の数値とともに、現在の血圧値を伝えましょう。
脈をとる
1分間の脈拍数を報告することで、心臓や血管の状態を医療職に伝えることができます。
意識の有無を確認
意識があるかどうかで、医療職の対応も変わります。どのような確認をし、どんな反応があったかを伝えます。
監修/苛原 実(いらはら みのる)
いらはら診療所院長。医学博士。千葉県内で訪問看護、リハビリテーション、老人ホーム等を展開しながら、訪問診療を続けている。現在、在宅ケアを支える診療所・市民全国ネットワーク会長も務める。『ケアマネ必携! 医療知識ハンドブック─高齢者の病気とくすり』(中央法規出版)など著書多数。
イラスト/ささきともえ