医療連携での介護職の役割
医療連携で介護職がやるべきこと【1】
“いつもと違う”を見逃さない!
介護職が医療と連携するにあたって必要なのは、専門的な医療知識ではなく、「利用者がどんな状態の時に医療職へ連絡すべきかを認識する」ということです。大切なのは、日々のケアを通して利用者の普段の健康状態を把握しておくこと。利用者の既往歴、何の病気があって、どんな薬を服用しているのかを知っていれば、少しの異変でも気づくことができます。そのためにも、日頃から利用者のことをよく観察しておくことが大切です。
口や肛門から出血がある
吐血はもちろん、肛門からの出血は要注意。肛門からの出血は、血液が黒い場合もあり、下痢と間違えることもあります。排泄物の中に、黒い液体やゼリー状、ヨーグルト状のものがあるかどうか、日頃からチェックを。
意識がはっきりしない
普段よりもボーッとしていたり、反応などが鈍くなっていたりする時は、何らかの病気による意識障害の可能性があるといえます。手足が動きにくい、または動かない、ろれつが回らないなどの症状がある場合、脳出血や脳梗塞などが疑われます。
その他、こんな時は医療職に連絡を!
・嘔吐が2回以上続く
・普段歩ける人が、急に歩けなくなった
・3食続けて食べられない
監修/苛原 実(いらはら みのる)
いらはら診療所院長。医学博士。千葉県内で訪問看護、リハビリテーション、老人ホーム等を展開しながら、訪問診療を続けている。現在、在宅ケアを支える診療所・市民全国ネットワーク会長も務める。『ケアマネ必携! 医療知識ハンドブック─高齢者の病気とくすり』(中央法規出版)など著書多数。
イラスト/ささきともえ