介護の現場Q&A
食事や入浴介助などに追われ、思うようなケアができません。
【Q】食事や入浴介助などに追われ、思うようなケアができません。テレビの前に座っている利用者を見ると、申し訳ない気持ちになります。
日常的な生活援助が忙しく、利用者とゆっくりコミュニケーションがとれません。
テレビの前に座っている姿を見ると、ほったらかしにしている気がします。どうしたらいいでしょうか?
【A】介助をしながらコミュニケーションをしているなら大丈夫! 利用者が満足しているかどうかをよく見てみましょう。
介護の仕事とは、援助を必要とする利用者の生活全体を支えるものです。そうした食事や入浴などの介助に「追われている」と感じていたとしても、黙ってそれらの作業をしているわけではないはずです。「今日のおかずおいしそうですね」「暖かくなりましたね」など、コミュニケーションをとりながら行っていると思います。
そうであれば、とりたてて会話だけをする時間をつくらなくても大丈夫では?介助を行うすべての場面がコミュニケーションの時間だと捉えた方がよいでしょう。
また、テレビの前に座っていただいているとしても、それが必ずしも悪い関わり方とは思いません。利用者の表情が穏やかだったり、楽しそうにご覧になっていれば心配は無用です。
もちろん、「なんとなくテレビを見ているだけ」の状態にならないよう、好みの番組に変えるなど、少しでもテレビの時間が楽しめるように工夫することは大事です。
高橋好美
特別養護老人ホーム・レジデンシャル常盤台施設長。看護師、ソーシャルワーカーを経験後、社会福祉士、介護支援専門員の資格を取得。大田区立特別養護老人ホームたまがわ特養第一課課長を経て現職。
取材・文/山辺健史(介護ライター) イラスト/山口まく
特別養護老人ホーム・レジデンシャル常盤台施設長。看護師、ソーシャルワーカーを経験後、社会福祉士、介護支援専門員の資格を取得。大田区立特別養護老人ホームたまがわ特養第一課課長を経て現職。
取材・文/山辺健史(介護ライター) イラスト/山口まく