本読みでつなぐ心
絵本の読み聞かせで子どもとふれあうデイ【1】~読み聞かせが脳の刺激にも
「この本がいいの?」
「おばあちゃんのひざにおいで」
この日、近くの託児所から訪れた2~3歳の子ども6人を迎え、デイサービス「きとうせや」は朝から大賑わい。NPO法人「子どもと本をつなぐ会」副理事の森本ちかさんによる発声練習のあと、利用者は思い思いに子どもたちをひざの上や横に座らせ、読み聞かせが始まりました。
読み聞かせを導入したきっかけは、「以前、読み聞かせに関する本を読んだ際に、読み聞かせが高齢者の認知症予防に役立つのではないかと思った」と、管理者の川崎暢一さん。ちょうどその頃、絵本店「コッコ・サン」を営む森本さんとの出会いがあり、お店から読み聞かせに向いた絵本を選んで持ち込む形で実現したというわけです。
「絵本の読み聞かせは、子どもの感情脳を刺激する一方、読む人の前頭前野を刺激することがわかっています。認知機能と深く関係する部位なので、認知症のケアには最適だと思いますよ」(森本さん)
「デイサービスきとうせや」
文/松崎千佐登 写真/門田幹也