料理レク、こんな“工夫”で実現!~認知症ケアの一環として行う施設の例
東京・大田区にある認知症対応型デイサービス「フロース東糀谷 (ひがしこうじや)」(定員10名)では、月に1度、約1時間30分かけて昼食を作る、料理レクを実施。メニューは2か月前に決定し、準備が始まります。管理栄養士を中心に調理試作を行い、作業工程を確認していきます。利用者の日ごろの様子から、一人ひとりの得手不得手な作業を判断し、どの工程を誰にしてもらうか、複雑な工程はスタッフが行うなど、作業内容と役割分担を細かく決めます。
当日は、「できる限り昔の出来事を思い出してもらい、会話を引き出せるような声かけを心がけています」と、スタッフの浜田彩香さん。「何もできない」と不安そうな利用者も手を動かし始めると、落ち着きを取り戻し、自然と表情が和らぎます。また、隣同士で協力し合うなど、コミュニケーションの輪が広がっています。
今日のメニューは「煮込みハンバーグ」です(上写真)。
■事前の準備と心がけている3つのポイント
1.2 か月前にメニューを決める
2.調理試作を行い、作業工程、内容、役割、席の配置を決める
3.生肉の加熱調理はスタッフが行い、食中毒を防ぐ
■当日、とくに心がけていること
1.利用者の手を手指消毒剤で消毒し、使い捨て手袋を着用。ただし、加熱材料に限り、包丁使用時には外すことも許可している
2.包丁を使う利用者には、スタッフがサポートにつく
3.利用者の言動や体調を観察しながら、臨機応変に作業を依頼し、記憶がよみがえるような声かけや会話を行う
4.生肉を扱った後、利用者は手を洗って手指消毒剤で消毒する。テーブルは、スタッフが除菌スプレーを散布して拭く