料理レク、こんな“工夫”で実現!~1日2回料理レクを行う施設の例
東京・池袋にあるデイサービス「まんぞく」は、定員10名の家庭的な雰囲気のなか、午前と午後、1日2回の料理レクを行っています。利用者の日ごろの様子から、一人ひとりのできる作業を判断し、役割を分担。また、料理レクについてのマニュアルを作成し、スタッフ同士で共有することで、どのスタッフが担当になっても安全で衛生的な料理レクを行えるようにしています。
調理は、包丁も火も使いますが、「認知症の方でも、包丁は振り回すものではない、火にかけた鍋は熱いとわかっているので危険なことはありません」と、所長の吉田みゆきさん。味や香りが記憶を呼び覚まし、失敗したら工程を振り返るなど、会話が広がるきっかけにも。帰宅願望の強い人が、料理中は落ち着きを取り戻すことから、次の支援方法を探る手がかりになることもあります。
今日のメニューは「りんごたっぷり寒天」です(上写真)。
■おやつづくりマニュアル~調理
1.何を作るのか、材料は何かを一緒に確認しながら始める
2.各利用者の得意、不得意、体調などを確認しながら作業を依頼。わからなければ、直接本人に聞く
*認知症の進行状況などが、調理に反映されることもあるので観察する
3.作業量に偏りが出ないよう、なるべく平等になるように配慮
4.昼食作りは、入浴の順番などを考え、調理に取り組んでもらう
5.使用した包丁、まな板、調理器具は、適宜流しへ運ぶ
6.副菜、デザートは盛り付け終了次第、適宜冷蔵庫へ
7.調理終了者から三角巾、エプロンを外してもらう。参加への感謝の声かけを忘れずに
■おやつづくりマニュアル~心がけること
・できないと決めつけず、できる方法を考え、各自の適切な作業に取り組んでもらう
・食材を切るときは、見本などを使い、わかりやすく説明
・各利用者の得意作業を観察し、スタッフ同士で伝達し合う