火も包丁も使って1日2回の料理レクを行うデイ【3】
利用者の顔ぶれに合わせた事前計画で
少人数での対応が可能に
同デイで料理レクを始めたのは、今より世代が上の利用者が多かった頃、「生活に役立つことをしたい」という希望が多かったからです。「今は趣味として料理を楽しみたいという人が増えたので、イベント的な要素を加え、機能訓練を兼ねて行っています」(宮田さん)。
取材に訪れた日の現場スタッフは4人。調理と入浴担当者を除き、フロアは2人で切り盛りしていました。調理場の指示やサポートに加え、時間を見計らって浴室やトイレに導き、配膳をしながら嚥下(えんげ)体操の声かけをこなすなど、気配り目配りが欠かせません。
少人数で切り盛りするためのポイントは、事前に利用者の役割分担と流れを決めておくこと。当日の利用者の顔ぶれに合わせ、「この方はこの仕事を任せられる」「この方は時間が経つと疲れるので作業はここまで」「何時になったらトイレ誘導」といった計画を日頃の情報をもとに組み立てます。緊急時は2階の事務所から応援の人員が加わる体制をとっています。
午前・午後と1日2回行う料理レクの様子はカメラで撮影し、そのほかの活動の様子と合わせ、インデックスプリントにして家族との連絡ノートに貼っています。家族には「デイでの様子がよくわかる」と大変好評だそうです。
文/松崎千佐登 写真/小澤達也(Studio Mug)