利用者の気持ちを考えた認知症ケア[9]~活動と休息編
お迎え時に通所を拒む
デイサービスなどで自分の体調や気分に合わせて自由に休息がとれないことに不満を感じているケースが少なくありません。また、認知症の方は実行機能障害があり、活動意欲の低下や、判断力の低下を伴う場合があります。この場合、無理じいをせず「待っていますよ」という姿勢を示すことが大切。また、好きな時間に休憩を取ることができないと考える方には、安心だと思える言葉かけが必要です。
■対処法
スタッフと親しくなる時間をつくる
施設以外の場で利用者となじみの関係をつくるようにします。まずスタッフが個別で家を訪れ、初めのうちは家族も一緒に話をします。後日慣れてきたら、途中で家族に退席してもらい、スタッフと2人だけの時間を増やすというように、徐々に信頼関係を深めていきます。
心配がいらないことを伝える
日頃親しくしている人が通所している場合は、「○○さんもいらっしゃいますよ」と名前を挙げて安心させるようにします。また、デイサービスでも疲れた時には休めることをきちんと伝えます。まずは不安を取り除くような働きかけが大切です。
※六角僚子
東京工科大学医療保健学部看護学科教授。看護師、保健師、介護支援専門員でもある。NPO法人認知症ケア研究所代表理事を務め、茨城県水戸市を中心に「デイサービスセンターお多福」などを運営する。
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