認知症に関するトピックス
男性の家族介護者「ケアメン」への支援が活発化
家族介護者の3割が男性の時代
現在、家族介護者のうち男性の割合が3割にまで拡大しています。しかも、その約7割が60歳以上です。年配男性の場合、多くは「男性は外で働き、女性は家の中のことを担う」という価値観が根強い時代を過ごしてきました。そのため、家事が苦手であったり、いざという時に支え手となる地域社会とのつながりが薄いという傾向があります。家での介護を担ううえでは、女性に比べて大きなハンデを抱えがちです。
そうした中、地域単位で「男性介護者の会」が続々と誕生し、男性介護者同士が悩みや課題を共有しつつ支え合う活動が活発になっています。2009年には、男性介護者と支援者の全国ネットワークも立ち上がり、交流イベントやシンポジウムなどを定期的に開催しています。
また、福岡県北九州市の男女共同参画センター・ムーブでは、今年3月末に男性介護者向けの冊子「男の介護 そして、ケアメンになる。」を発行しました。「ケアメン」とは男性介護者のことを指します。その内容は、男性介護者の実態(働きながら介護を担う人も多く、介護によって離職せざるを得ない人も多い、など)に始まり、初めて介護を担う人向けの基礎知識や介護環境の整え方、男性の多くが苦手とする食事づくりなどのアドバイス、さらにはいざという時の相談窓口の一覧などが盛り込まれています。
今後は、こうした冊子発行など、自治体単位での取り組みも活発になることが期待されます。
■参考資料
福岡県北九州市立 男女共同参画センター・ムーブ
冊子『男の介護 そして、ケアメンになる。』を発行しました!|男女共同参画センター・ムーブ