脳を鍛える「認知症予防アクティビティ」
楽しい、レク的トレーニングが脳の衰えを防ぐ![1]
これまで「治らない」と言われてきた認知症も、最近では初期で、かつ適切な予防的アプローチを行えば、改善の効果がみられることがわかってきました。カギとなるのは脳を鍛えるトレーニング。頭と体を一緒に使い、楽しみながら続けることがポイントです。認知症予防のために、利用者さんと取り組んでみましょう。
~諏訪東京理科大学共通教育センター 篠原菊紀教授(監修)
脳の機能低下を防ぐレクリエーションをしましょう
認知症は記憶力や思考力、判断力などに障害が出て、今まで当たり前に行っていた「食べる」「排泄する」「着替える」といった日常生活の動作がスムーズに行えなくなっていく病気です。近年、認知症に対しての治療法や、どう接したらいいかというケアの方法について、さまざまな研究がなされています。その試みのなかで最近注目されているのが認知症予防へのアプローチです。
認知症のなかでも、アルツハイマー型認知症は未だに原因がわからず、発症すればなすすべがないと言われてきました。しかし、アメリカ国立衛生研究所の発表で、日常の暮らし方によって脳の認知機能低下を防ぐことは可能であることが報告されています。
認知症を防ぐ生活を大まかにとらえれば、「地中海式の食事をし」「頭を使って」「体を動かし」「生活習慣病予防に努めて」「人とかかわる」ことが大事だといいます。
地中海式の食事とは、魚介類や緑黄色野菜、果物、オリーブオイルなどがふんだんに使われているヘルシーな食事のこと。また、食事に気をつけるだけでなく、ゲームや遊び、趣味などで積極的に頭を使って脳に刺激を与えること。さらに、まめに体を動かし、レジャーなどで外出をして人と付き合う、
こうした暮らし方が認知症の予防につながるというわけです。
デイサービスでも、この生活習慣を実践するきっかけづくりができます。利用者には認知症の予備軍もいらっしゃると思われますので、ここで紹介するような、楽しくできて、しかも理にかなったアクティビティをぜひ取り入れてみてください。
この記事が掲載されている号
スタート準備号
76ページに掲載ページに掲載
おもなレク
- 色と形を楽しむ 季節の制作
- 楽しいから長く続く 機能向上を目指すゲームレク
- カンタン&チャレンジ 難易度別おりがみ
- 園芸をもっと身近に 植物から元気をもらおう
- 火と包丁を使わない 料理にチャレンジ!