介護記録の書き方
介護記録の書き方~認知症ケア
認知症ケアでは、「利用者の」困った行動に注目しがちですが、「利用者が」何に困ってその行動を取ったかに注目し、記録に残しましょう。
■ケース1
【悪い例】介助により、夕食を半量摂取。その後は介助しても吐き出す。
【良い例】介助で主菜、副菜とも1/2量まではスムーズに食べた。1/4量だった副菜の魚を口に入れると、顔をしかめて吐き出す。
→吐き出した理由を後から検討できるよう、何を吐き出したか、そのときの様子も含めて記録します。
■ケース2
【悪い例】食後、フロアを歩き回るため、声をかけたが応答なし。
【良い例】食後、落とし物を探すように床を見ながら歩き回る。「どうしましたか?」と言うも耳に入らない様子。その後も歩き続けるので見守る。
→歩き回っているときの様子、声をかけたときの様子はできるだけ具体的に書くようにします。
柳本文貴
NPO法人グレースケア機構代表。介護福祉士、社会福祉士、介護支援専門員。老人保健施設等の勤務を経て現職。長時間ケア、娯楽ケアなどの自費サービス、訪問介護、研修事業等に取り組む。
鈴木順子
NPO法人グレースケア機構スタッフ。介護福祉士、介護支援専門員、保育士。訪問介護、有料老人ホーム、認知症グループホーム等での勤務を経て現職。利用者をきめ細かに見つめる目を持つ。
文/宮下公美子 イラスト/尾代ゆうこ